2026年8月3日、大阪府八尾市内のこども園で高野しのぶ先生を講師に招き「命を守る術を伝える性教育」出張授業(主催:大阪府八尾市)が行われた。

今回の授業は利塾のメンバー間で社会貢献活動について話している際に性教育の話題が上がったことがきっかけ。2025年にみなと総合高校で実施していた食育支援活動での高野しのぶ先生とのご縁もあり、今回の開催につながった。

授業を受けるのは、八尾市の保育教諭や関係機関職員50名ほど。教育の第一線の先生方に高野しのぶ先生の最新の性教育をお話していただく時間になった。

この出張授業は利塾が出張授業の実施費用を負担し実現したもの。昨年末の話から実際に出張授業を開催するまで8ヶ月。

思いを形にするため、利塾メンバー間で役割を分担し、1人1人がより良いイベントのために、と動く利塾メンバーのパワーを集結した時間にもなった。

「心が生きる教育」としての性教育

「性教育は、心が生きる教育であり、人権教育そのもの」。

日本ではまだ性教育は恥ずかしいものとされがちだが、「『どうやって自分らしく自分を守っていくのか』が性教育の本質」としのぶ先生。しのぶ先生のずっと笑顔で、でも力強く話される姿に参加者全員が引き込まれた。

そして、普段考えている「性教育」とは大きく違う内容に目からウロコなメンバーも多々。

「自分を守る術」を伝える包括的性教育の視点

従来の性教育といえば、生物学的な知識やハウツーの伝達に偏りがち。しかし、今回しのぶ先生が提示したのは「包括的性教育」という視点だった。

例えば、自分の意思で選択する権利や、他者との境界線を示す「バウンダリー・境界線」の概念。このバウンダリーについてはLSYでも利塾でも話されてきた内容と重なる。嫌なことには「ノー」と言ってよいこと、プライベートパーツの大切さを0歳児の段階から伝えることの意義等が語られた。

このバウンダリーを理解して実践することは、自己肯定感を育み、身を守る重要な基盤となる。相手を尊重する姿勢は、子育てのみならず介護の現場や日々の人間関係全般に通ずる「生き方の技術(ライフスキル)」そのものだ。

性教育=恥ずかしい、タブーから「自分を大切にする教育」へ

出張授業は参加者の先生方や利塾メンバーから大きな反響を呼んだ。

「性教育は恥ずかしいものという意識が180度変わった」

「現場ですぐに取り入れたい」といった感銘の声が相次ぎ、アンケートでは全員から好評価で、いかにこの数時間の性教育授業のインパクトが大きかったかを物語っている。行政関係者からも市主催講座の開講に前向きな意欲が示されるなど、大きな波紋を広げている。

授業の後は懇親会が行われ、普段オンラインでしかなかなか話せないメンバーたちが近況を話し、お互い学び合う仲間として鼓舞する時間にもなった。

共に学び、共に育む社会へ、利塾ができたこと

ボランティア活動は、一方的に誰かを助けるものではない、と利塾塾長。支援する側とされる側が互いに刺激を受け、共に学び深めていく双方向の活動地域と教育現場、そして専門家を結びつけた今回の試みは、次代を担う子どもたちの尊厳を守り、一人ひとりが自分らしく生きられる社会づくりに向けた確かな第一歩となった。