横浜市立みなと総合高校では、令和5年度から令和8年度までの4年間、横浜市食育実践推進校として、単なる栄養摂取に留まらない「食育」を実施している 。

その象徴的な活動が、「みなと食堂」そして「みなとカフェ」だ。

みなと食堂がもたらす文化

利塾も食育ボランティアとして参加している、横浜市立みなと総合高校でのみなと食堂。

この活動を支えているのは、地域の「しのぶ食堂」や多くの協力企業、そして何よりボランティアとして参加する生徒や教職員。調理班の生徒たちは、朝6時から厨房に立ち準備を行っている。

彼らは「朝ごはんの大切さを実感しているので家族にも作ってあげたい」「調理を習いたい」という純粋な意欲で主体的に活動に携わっている。

ただ提供するだけでなく、主体的に企画も行うという食育を通した1つの文化がこの高校には根付いてきている。

回を重ねるごとに、生徒たちから「いつもありがとう」「おいしいです」という言葉が自然と交わされるようになり、食堂は単なる食事の場を超え、温かなコミュニケーションの場へと進化している。

「みなと食堂」から「みなと朝カフェ」へ

令和8年度に向けて、みなと食堂はみなと朝カフェとしてパワーアップして活動していく。

「みなと朝カフェ」の目的は、以下の通り。さらに食育を広める取り組みを進める予定だ。

  • 規則正しい生活の定着: 朝食をきっかけに遅刻を軽減し、生活リズムを整える 。
  • 心身の健康増進: 朝食喫食率を向上させ、1日の活力を養う 。
  • ワークショップの実施: モーニングルーティンの大切さを学ぶなど、より良い朝習慣づくりの啓発を行う 。

また、放課後には今まで通り「みなとカフェ」も定期開催される 。

自分たちで作る居場所、みなとカフェ

みなとカフェは、高校生にとっての新たな居場所。

大学生ボランティアや地域団体との交流を通じて、生徒たちの社会的孤立を防ぎ、悩みやSOSを早期に発見できる体制を整えることを目指している 。

まさに「地域で高校生を育てる」取り組みだ。

このカフェで特徴的なのは高校生が自ら手をげて企画から実施までを担うところだ。その仕事っぷりたるや、もはやビジネスマンである。

食が拓く、生徒たちの未来

「おいしい朝ごはんをありがとう」。生徒の何気ない一言には、自分を支えてくれるコミュニティへの信頼が込められている。

複雑な背景を持つ生徒や、孤独を感じている生徒にとっても、誰かと囲む食卓は、社会とつながる大切な架け橋となる。

みなと総合高校の取り組みは、食育が単に「何を食べるか」を教える教育ではなく、「誰と、どのように過ごし、どう生きるか」を育む活動であることを示している。

2026年度も、この温かな灯火は、生徒たちの心と体を支え続けていくはずだ。